研修医と理学博士の在宅医療-雑談-

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在宅医療をめぐる日本の情勢

皆さん、こんにちは。

いつも沢山の方にブログを見ていただいてありがとうございます。

おかげ様で徐々にアクセス数が上がっているようです。

 

さて前回のブログでは、広義、狭義それぞれの意味での在宅医療について記事で取り上げてきました(詳しくは前回記事をご覧ください)。

そこで本日のブログでは、在宅医療を取り巻く日本の現状についてお話ししていきたいと思います。

 

結論から申し上げますと、狭義の意味での在宅医療(※通院困難な患者さんに対して自宅または老人福祉施設にいたまま、利用を受けること)の利用者は、高齢者が中心であります。

 

さらに、入院は必要ないものの、自力あるいはご家族等の付き添いで入院が困難なため在宅医療を利用している患者さんが多数を占めます。

 

細かな統計は別記事に譲るとして、厚生労働省による年齢別の通院統計をみると、年齢とともに通院率が高くなっています。例えば、30歳代まで通院率は20%未満に対して、65歳以上のそれは50%以上と高くなっています(出典:国民生活基礎調査)。

 

とくに75歳以上の後期高齢者では、通院率が70%を超えており、歳を重ねることで通院が困難になることで、必然的に在宅医療のニーズが生まれるのです。

 

さらに、現在の日本は未曾有の高齢化社会が進展しているため、在宅医療が必要な高齢者の方が増加することで、今後ますます在宅医療のニーズが高まることが確実視されます。

 

ここで在宅医療を受け入れている医療機関に着目しますと、下記の結果となっています。

・在宅療養支援病院※(1.405カ所)

・在宅療養支援診療所※(14,193カ所)

 

※両者の違いとして、病院は入院可能なベット数が20床以上、それ以下のベット数をもつ機関を診療所と定義します。

 

上記は2019年現在の数ですが、現在の日本では在宅医療を実施しているのが「診療所」中心であるということがわかると思います。

 

このように、現在の日本の在宅医療を取り巻く状況として、その中心は高齢者のニーズが多く、そのニーズに対して全国の診療所が中心となってことえているということになります。

もちろん、病床数の大きな病院が沢山の在宅患者さんを抱えている場合もあります。

 

次回の記事では、都道府県スケールで本日挙げた、在宅療養支援病院と在宅療養支援診療所がどのくらい立地しており、それに対して在宅医療のニーズが都道府県ごとにそのくらい存在するのかをご紹介したいと思います。

 

また今後在宅医療を考えるにあたって、高齢者のほか、在宅医療を仕事や育児に忙しい世代に浸透させることが、結果的に高齢化社会に対応する手段となることが重要な視点として考えられれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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