研修医と理学博士の在宅医療-雑談-

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日本における在宅医療の現場〜その1〜

 

皆さん、こんにちは。

緊急自体宣言が再び延長するようで不安な日々が続いておりますが元気よくブログから発信していきたいと思います。

 

さて、前回までの記事では在宅医療をめぐる日本の情勢についてマクロな観点から説明させていただきました。

今回の記事では具体的に日本の医療保険で行われている在宅医療の実際についてご紹介していきたいと思います。

 

実際に見たことがないとイメージがつきにくいと思いますので、本記事で説明したいと思います。

在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所から医師が、患者さんの自宅や老人福祉施設に実際に訪問して診療行為を行います。

車のハッチバックに必要な医療器具(採血用の針やスピッツ、点滴器具、心電図モニター、小型のエコー、パソコンなど)を携帯して患者さんのもとまで伺います。

そしてその場で、採血や心電図等の必要な検査を行って、病状の経過を判定したり、内服薬の調整や点滴加療等のベッドサイドでの治療を行います。

医療行為は医師が診察して必要なオーダーを立てないとできないのですが、ラップトップPCから電子カルテにアクセスしてカルテ操作もその場で行うことができます。

 

このようにして、病院へ通院することが困難な高齢者の慢性疾患(慢性腎臓病、慢性心不全、糖尿病、COPD脂質異常症、高血圧症など)や術後(各種の悪性腫瘍の術後や冠動脈疾患のバイパス術後、PCI後など)フォローアップ、これら複数の疾病を有する複雑な患者さんの経過を追っていくことができるのです。

入院中のベッドサイドの患者さんに対して回診して診療方針を立て、治療計画を進めていくのと何ら変わりのないことができるのです。

 

最後に医療保険で在宅医療として認められている医療行為を以下の表にまとめておきましたので参考にしていただけたらと思います。

 

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次回は、もっとイメージがつくように具体的な在宅医療の実例をご紹介したいと思います。

 

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